営業の心理学

希少性の原理:売り方を変えて製品の魅力を最大限に高める営業のコツ

お客様が商品を購入するのは、その価値を認めたからです。価格に相応しいメリットを感じることができたから決断するのです。製品の価値が高ければ、それだけお客様の注目を集めることができます。

しかし、製品自体を変えなくても、売り方を変えるだけで商品の魅力を高めることができます。例えば、製品の広告などで「ここでしか買えない限定品」という言い回しをよく見かけます。これは、どこでも買えるわけではないという条件がその製品に特別感を与えているのです。

このように、人は手に入りにくいものほど、価値が高いと感じる傾向があります。これを心理学で、「希少性の原理」といいます。

この希少性の原理は、あらゆるセールス活動で頻繁に使われています。そのため、私達は日常のあらゆる所で目しているのです。具体的な活用方法に関しては、以下の動画で学ぶことができます。

何が商品の魅力を高めているのか

この希少性の原理は、日常生活でよく見かけることができます。最もよくみられるのが、数量を限定することです。例えば、以下のようなフレーズです。

「入荷数が限られているため一日限定5食」

「○○記念モデルは限定生産のため在庫が無くなり次第、販売終了します」

数に限りがあるため、「早くしないと買うことができない」という心理がうまれます。これがお客様の背中を押すことになり、購入を決断させるのです。

希少性をつけるときは、その理由を明確にすることで信頼性が高まります。先程の例でいえば、「入荷数が限られている」「限定生産のため」というような根拠です。正当な理由があることで、お客様の納得感が高まるからです。

また、購入することができる期間を限定して、特別感を演出することもできます。例えば、以下のようなフレーズをテレビCMや広告などで見かけることがあります。

「この番組の終了後、30分以内にご注文いただいたお客様が対象」

「ゴールデンウィーク期間中の限定販売」

このように、購入できる期間に希少性をつけることで、通常は買うことができない状態を作ります。この条件がお客様の購買意欲を高めるのです。

さらに、製品自体を限定するのではなく、付加価値をつけることでお客様の関心を集める方法もあります。例えば、製品に特典をつけることです。「先着300名様だけに特典つき」というように対象を絞ることで、製品自体の価値を高めているのです。

このように、希少性の原理を適用させる対処は、製品そのものである必要はありません。工夫次第でお客様の購買意欲を高めることができるのです。

製品自体に手を加えなくても、売り方を変えるだけで価値を高めることができます。「お客様は何に対して魅力を感じるのか」を考えることで、その答えが見えてきます。

ここで解説した希少性の原理における心理作用を理解して、自分のセールス活動に役立てるようにしてください。