営業学入門

「営業としての自信」を手に入れる具体的な方法

お客様に商品を勧める営業マンにとって、その商品を理解していることは大前提です。製品を熟知していることで、お客様に正しく価値を伝えることができます。さらに、お客様の信頼も得られやすいというメリットもあるのです。

そして、数字があがらない営業マンほど、自分が扱っている商品のことを理解していません。つまり、製品を勉強する努力を怠っているのです。なぜ、自分が扱っている商品を理解しようとしないのでしょうか。

この原因のひとつに、提案書や製品パンフレットがあげられます。これらの資料には、製品の特徴やメリットなどが綺麗にまとまっているため、営業マンが覚えなくてもある程度の説明ができてしまいます。そのため、営業マンは自分で覚える必要性を感じないのです。

しかし、ここに大きな落とし穴があります。

製品知識をつけることは、「詳しい説明が出来るようになる」ということだけではないからです。実は、それ以上の大きなメリットがあるのです。そして、このメリットがあるからこそ、商品を熟知している営業マンは成果を残せるのです。

ここでは、営業マンが商品知識をつけることで得られる効果について解説していきます。

営業マンに必要なふたつの自信
知識をつけることで、営業マンに自信が生まれます。そして、その自信には、ふたつあります。ひとつは製品に対する「自信」です。機能や特徴、他社製品との違いといった基礎知識が頭に入っていれば不安がなくなります。なぜなら、何を聞かれても答える準備ができているからです。

そのため、自信を持ってお客様に勧めることができるのです。さらに、この営業マンの自信は製品の印象を大きく高めてくれます。なぜなら、営業マンの態度や振る舞いは、商品のイメージに大きく影響するためです。

そして、ふたつ目が自分に対する「自信」です。商品を理解するという営業マンとしての基本をしっかりと行うことで自信になります。営業マンとしての自分に、自信が持てるようになるのです。この自信は、営業活動の様々な面でプラスに働きます。

例えば、アポイントを取るときです。自信のない営業マンは、「忙しいので迷惑ではないか」と考え、遠慮しながらお客様にアプローチをします。そのため、お客様はその営業マンと会うことのメリットを感じることができず、アポが取れないのです。

しかし、営業としての自分に自信が持てるようになると行動が変わってきます。

「お客様の役に立てる」という営業としての想いが強まり、堂々した態度でアプローチすることができます。そのため、お客様も「会うことのメリット」を感じやすくなり、その結果としてアポが取れやすくなるのです。

このように、営業に必要な「自信」を手に入れることで、営業の成果は大きく向上するのです。

製品知識が営業マンの自信の土台となる

さらに、製品知識をつけることの効果は、他にもあります。それは、「知識をつけると誰かに話したくなる」という心理がうまれることです。この心理を利用して、営業活動のモチベーションをあげることができます。

例えば、コピー機の販売営業です。スキャナ機能が新しくなった新製品が発売されるとします。営業マンには、新機能を訴求してお客様に提案することが求められます。そこで、そのスキャナ機能を徹底的に勉強するのです。

このとき、次のようなポイントを覚えます。

「今までのスキャナ機能と何が違うのか」

「お客様にとってどのようなメリットがあるのか」

「なぜその機能を実現できるのか」

このような製品の基本項目を理解してください。お客様から、「このような質問がくるのでは」と考えながら、新製品を勉強していくのです。そして、「何を聞かれても答えられる」と思えるぐらいの知識を身につけるのです。

そうすると、営業マンの心理に変化が現れます。

「学んだ知識を他人に教えたい」という感情が生まれるのです。つまり、お客様に会って、話をしたいという欲がでてきます。これによって、お客様に会いにいくことが楽しみになります。

お客様と会うことを楽しめるのは、営業マンにとって素晴らしいことです。その姿勢が相手に伝わり、お客様も喜んであなたに会ってくれます。そうすると、営業の成果も自然と上がっていくのです。

このように、製品を徹底的に理解することで、「学んだ知識を披露したい」とい感情がうまれます。この感情が営業活動に対するモチベーションを高めてくれます。

商品を理解することは、詳しい説明ができるようになるというメリットだけではありません。営業マンが製品や自分に対して自信を持てるようになったり、提案に対するモチベーションがあがったりするという効果もあるのです。

自分が扱う製品を理解するという営業の基礎を徹底してください。それが売上の増加につながり、予算達成の土台となることを理解しなければいけません。