営業学入門

営業マンの本心がお客様に必ず伝わる理由:言葉の影響力

 

営業マンが考えている以上に、お客様はセールストークに影響を受けています。相手のためを思ってでてきた一言で、厚い信頼を得ることがあります。その反対に、何気なく使ったひとつの言葉で信用を失うこともありあます。

直接話して伝える場合でも、メールに書いて想いを届けるケースでも、大きな影響を与えます。そのため、言葉の使い方で売り上げが決まると言っても、過言ではありません。

ここでは営業の使う言葉が、お客様に何を伝えるのかを説明します。

営業マンの感情は言葉に表れる
お客様は営業マンの話す言葉に、非常に敏感です。言葉の裏にある心理を、必死に読み取ろうとしています。なぜなら、「うまいことを言って、何とか売り込もうとしているのではないか?」という警戒心を少なからず持っているからです。

そのため営業マンは、「言葉」の選択に繊細である必要があります。「どの言葉を使って、どういうニュアンスで伝えるのが良いのか?」を真剣に考えることが求められます。少し間違えれば、一瞬で信頼をなくすことに繋がります。

例えば、家電量販店の液晶テレビ売り場でのシーンです。お客様はパソコンで作成した動画を、テレビで再生できる機種を探しています。そこで、事前に対応する機種を店舗で調べていました。

そのとき、お客様があなたに話しかけてきました。

お客様「この液晶テレビは、パソコンで編集した動画も見ることができるのですよね?」
販売員「え~っと、そうですね。大丈夫だと思います

この、「~だと」という言葉が問題です。これは自分の回答に、確信がない証拠です。自信がないので、「曖昧な回答にしておこう」という考えがうまれます。もし何かあったときに、「確実にできるとは言っていない」という言い訳ができるように、逃げ道を作っているのです。

このような無責任な態度を、お客様は敏感に感じ取ります。「今の答え方だと、この販売員は分かっていないな。適当に会話を合わせた感じで、信用できないぞ……」と伝わります。

このように内面にある感情は、必ず言葉に表れます。お客様はそれを、確実に受け止めます。そのため営業マンは、ひとつひとつの言い回しに細心の注意を払う必要があるのです。

営業マンの誠意は言葉を経由して相手に届く

営業マンは、「たぶん出来ますね」「たしか問題ないはずです」という曖昧な言葉を使ってはいけません。確信がないときは、回答をしてはいけません。どんな言葉を選択しても、ごまかそうとする気持ちは、確実にお客様に届きます。

このケースであれば、「私はその点ついて把握しておりませんので、確認して改めてご回答させていただきます」というのが、営業マンとしての正しい返事です。

知らないことを知らないと言えない営業マンは、信頼関係を構築できません。嘘をつかない正直な気持ちが、言葉を経由してお客様に響きます。誠実な態度で接することで、ようやく相手に信用されるのです。

営業マンは、言葉が相手にあたえる影響を常に意識して、提案活動を行う必要があります。