経験学習モデル:自ら振り返り、体験から学ぶ人がビジネスで成功する
ビジネスに必要な能力は、研修やセミナーでは身につけることはできません。日々の仕事の実践的な経験を通じて、習得することができるのです。
ただ、闇雲に経験を重ねてもビジネススキルが向上することはありません。自分の仕事を振り返り、そこから教訓として学んでいくことが大切です。
このように、自分の経験から学び、成長していくプロセスを「経験学習モデル」といいます。
経験からは最も多くのことを学べる
経験学習モデルとは、アメリカの教育学者であるデービッド・コルブが唱えた理論です。「具体的な体験」「振り返り」「教訓の明確化」「教訓の適用」という4つ の段階に分けて、人間の学習サイクルを定義しています。
具体的な体験をした後に、自分の行動や思考を振り返ります。次に、そこから学べることを教訓として明確にします。そして、その教訓を次の仕事に活かしていくのです。この学習を繰り返すことで、能力が向上していくというサイクルです。
・経験学習モデル
例えば、お客様からのクレーム対応です。発注担当の伝票入力ミスにより、違う商品が届いてしまいました。オーダーの内容を口頭で伝えただけで、営業マンは発注担当に処理を任せっきりにしていたのです。
この経験から営業マンが学べることを、「経験学習モデル」で解説していきます。
1、具体的な体験
具体的な体験とは、その人が経験した出来事や感じたことです。今回の例でいえば、以下のようになります。
「発注処理の手違いによって異なった製品が発送され、お客様からのクレームが発生」
2、経験の振り返り
経験の振り返りとは、具体的な体験から学べることや、そのような意味や価値があったのかを考えることです。例えば、次のように自らを省みることができます。
「口頭で発注担当に伝えてしまったのが良くなかった」
「発注の連絡は記録に残るようにするべきだった」
3、教訓の明確化
教訓とは、似たような経験において活用できそうな考え方や理論のことです。これを言葉でしっかりと表現できるようにします。今回のケースでは、次のような教訓になります。
「重要な連絡は口頭ではなく、メールなどの記録に残る手段で行うべきである」
「仕事は他人に依頼したら終わりではない。他人の作業が正常に完了したことを確認するところまで行わなければいけない」
4、教訓の適用
教訓の適用とは、学んだ教訓を実際に使ってみることです。似たようなケースで良い結果がでれば、その教訓はあなたのビジネスに有効なセオリーということができます。うまくいかない場合は、違うやり方や考え方を探さなければいけません。
ビジネスでは行動によって、「具体的な経験」を積むことが重要です。しかし、それだけでは成果を出し続けることはできません。ビジネススキルが向上することがないからです。
経験はそのままにしておくのではなく、自己反省を通じて教訓を導き出さなければいけません。体験から学ぶことを繰り返すことで、能力を高めていくことができるのです。これが成長に繋がります。
自分の行動を振り返り、どんな結果からも学べる人がビジネスで成功できるのです。
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