コミュニケーション学

営業マンが雑談ネタを選ぶときの基本マナーを理解する

ビジネスにおける打ち合わせでは、少なからず緊張します。そこで必要になるのが雑談です。仕事以外の話をすることで、お互いの気持ちが楽になるからです。

そして営業マンは、相手にあわせてネタを準備しておくことが大切です。興味深い話しをふることで、雑談が盛る上がる可能性が高まるからです。

しかし雑談とはいえ、お客様とのやりとりです。そこには、最低限のマナーが存在します。

これを理解することで、雑談の失敗をなくし、商談を成果を高めることができます。

営業マンの雑談のマナー

営業マンから雑談を振るときは、ネガティブな内容を選んではいけません。その場の空気を和やかにすることが、雑談の目的だからです。しかし多くの営業マンは、このことを真剣に考えていません。

そのため、次のようなネガティブな話を始めてしまいます。

「本当に毎日、暑い日が続きますね。こんなに暑いと仕事のやる気がでませんよね」

「最近の製造業はとても不景気のようですね。どこも人員削減に取り組んでいるようです」

人は誰でも、暗いニュースや否定的な意見を嫌います。つまり、営業マンがお客様に嫌な思いをさせているのです。お客様が話を聞いている様子でも、このことに気が付かなければいけません。

お互いの気持ちを和ませるのが雑談です。どんなときでもお客様に不快な思いをさせてはいけません。これは営業マンとしての基本マナーです。

お客様がネガティブな話をしたときの対処法

それでは、お客様がネガティブな話をしてきたときは、どうすればよいのでしょうか。営業マンとしての正しい対応は、「嫌な顔をせずに傾聴する」ことです。

人は自分の不満を話すだけで満足します。そのため、しっかりと耳を傾けてお客様の話を聞いてあげるのです。そうすることで、お客様がストレスを発散させることができます。

また、自分の愚痴を聞いてくれた営業マンに対して、お客様は好意を抱くようになります。人は自分の気持ちを理解してくれる人を信頼する傾向があるからです。

そのため、単に聞くだけではなく、相手の気持ちに共感していることを伝えるようにしてください。具体的に言葉で表現すればよいのです。例えば、次のような話し方になります。

「そうだったのですか。そのようなときは本当に辛いですよね」

「それは誰でも怒りますね。私も聞いていて何だか腹ただしくなってきました」

さらに、通常は口に出さない「愚痴や不満」を聞くことで、お互いの距離を縮めることができます。秘密を共有することで、相手との親密感が高まるからです。

このように、お客様のネガティブな話しを聞くことは、信頼関係を構築するのにとても有効です。

営業マンは自分から否定的な話題を振ってはいけませんが、お客様の話は聞かなくてはいけません。これが営業マンにとっての雑談のルールです。

雑談はお客様との信頼関係を構築するために必要な要素です。ここで解説した基本ルールを理解して、雑談を進めるようにしてください。